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「毎日1万歩」で膝を痛める人、身体が若返る人。決定的な違いは“歩数”ではなく“負荷”

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「毎日1万歩」で膝を痛める人、身体が若返る人。決定的な違いは“歩数”ではなく“負荷”

「毎日1万歩」で膝を痛める人、身体が若返る人。決定的な違いは“歩数”ではなく“負荷”

こんにちは。
BodyAll池袋代表、元プロ競輪選手、身体再構築アーキテクトの平岡浩司です。

 

先に結論から言います。

「健康のためには毎日1万歩」は、全員に当てはまる絶対的な正解ではありません。

 

同じ1万歩でも、身体がどんどん動きやすくなる人もいれば、膝や足、腰に負担が出る人もいます。

その違いは、

「何歩歩いたか」ではなく、その運動が“今の自分の身体にとってどれくらいの負荷なのか”。

僕はここが重要だと考えています。

ちなみにタイトルの「身体が若返る」とは、年齢そのものが若返るという意味ではありません。

以前より歩ける。
疲れにくくなる。
階段が楽になる。
身体を動かすことへの不安が減る。

そんな身体機能が良い方向へ変わっていく状態を、ここでは分かりやすく「若返る」と表現しています。

そして、この考えは論文を読んで作ったものではありません。

僕自身が、子どもの頃からプロ競輪選手時代まで、運動で身体が強くなることも、やり過ぎて身体を壊すことも、両方経験してきたからです。

 


 

僕自身、「やればやるほど強くなる」と思っていた

僕は小学生から高校生まで、野球、サッカー、陸上競技など複数のスポーツをやってきました。

野球ではピッチャー。

翌日はサッカーでストライカーとして走り回る。

その後に陸上競技の大会へ出る。

そんな時期もありました。

当然、ものすごく走ります。

若い頃は僕自身も、

「もっと練習すれば、もっと強くなる」

という感覚を持っていました。

でも実際には、疲労骨折を経験したこともありますし、疲労が重なった中で関節を痛めたこともあります。

運動は身体を強くしてくれます。

でも、

身体が受け止められる負荷を超えれば、同じ運動が身体を壊す側にも回る。

これを僕は自分の身体で学びました。

 


 

プロ競輪選手になってからも「走る」「歩く」は大切だった

競輪選手だから、自転車にしか乗っていなかったわけではありません。

僕自身、階段ダッシュや坂道ダッシュなど、ランニングに近いトレーニングも取り入れていました。

目的があるから強い負荷をかける。

一方で、ウォーミングアップではゆっくり歩くこともありました。

その時は単に距離を稼いでいたわけではありません。

足裏の接地。

左右の重心。

股関節の動き。

脚と上半身の連動。

「今日は右に乗りやすいな」

「左脚が少し動きにくいな」

そんなことを感じながら歩く。

つまり僕にとってウォーキングは、

運動量を増やすためだけではなく、自分の身体の状態を確認する運動でもあった

ということです。

これが現在BodyAllで身体を見る時の考え方にもつながっています。

 


 

同じ1万歩でも、身体にとっては同じ運動ではない

例えば、

長年運動を続けている人の1万歩。

ほとんど運動していなかった人の1万歩。

これは同じでしょうか。

筋力。

体重。

心肺機能。

関節の動き。

過去の怪我。

普段の活動量。

疲労状態。

全部違います。

つまり、

歩数計には同じ「10,000」と表示されても、身体が受けている負荷はまったく同じではない。

ここを無視して、

「健康にいいから全員1万歩」

と考えることに、僕は違和感があります。

 


 

そもそも、健康効果は「1万歩を超えた瞬間」に始まるわけではない

近年の研究でも、この点はかなり分かってきています。

2025年に『The Lancet Public Health』へ掲載された57研究のシステマティックレビュー・メタ解析では、1日2,000歩と比べ、7,000歩では全死亡リスクが47%低いことと関連していました。

さらに心血管疾患、認知症、抑うつ症状、転倒など、複数の健康指標でもリスク低下との関連が報告されています。

全死亡、心血管疾患、認知症、転倒などでは、5,000〜7,000歩付近から効果の伸び方が緩やかになる傾向も示されました。なお、これは主に観察研究をまとめた結果なので、「7,000歩歩けば必ず47%下がる」という因果関係を意味するものではありません。

つまり、

1万歩は健康になるための最低ラインではない。

無理なく1万歩以上歩けている人が減らす必要もありません。

数字を「目標」として使うのはいい。

でも、数字を「身体より優先する基準」にしてしまうと話が変わります。

 


 

「健康のためだから痛くても歩く」が一番怖い

例えば、これまでほとんど運動していなかった人が、突然毎日1万歩を始める。

最初は頑張れる。

でも数日すると、

膝が痛い。
足裏が張る。
ふくらはぎが重い。
腰までつらくなる。

それでも、

「健康のためだから続けなきゃ」

と我慢する。

僕はここで一度、身体を見るべきだと思っています。

スポーツ科学でも「負荷をどう管理するか」は重要なテーマです。IOCのコンセンサスでも、トレーニングや競技負荷の不適切な管理は、スポーツ障害・外傷リスクに関わる重要な要素として扱われています。

もちろん、アスリートの高負荷トレーニングと一般のウォーキングをそのまま同一視することはできません。

ただ、

身体には適応できる負荷と、まだ適応できていない負荷がある。

これは共通して考える必要があります。

 


 

膝が痛い。でも、膝だけの問題とは限らない

人間は膝だけで歩いているわけではありません。

足裏で地面を捉え、

足首が動き、

膝が動き、

股関節が動き、

骨盤と体幹が身体を運び、

上半身まで連動して一歩を作ります。

例えば、股関節や足首が十分に使えていない状態で長時間歩けば、身体は別の場所でその動きを補おうとします。

その負担を膝が多く引き受けることも考えられます。

だからBodyAllでは、

「膝が痛いから膝だけを見る」

とは限りません。

僕が見たいのは、

その人が「一歩」を身体全体でどう作っているのか。

です。

もちろん、膝そのものに問題があるケースもあります。

だから最初から「原因は別の場所」と決めつけることもしません。

 


 

では、歩くことは膝に悪いのか?

これも違います。

2025年のシステマティックレビュー・メタ解析では、軽度〜中等度の変形性膝関節症がある人へのウォーキング介入について、膝関節の生体力学的な負荷指標には全体として最小限〜ほぼ変化がなく、歩行速度には小さな改善が確認されました。

研究者らは、膝関節へ有害な影響を示さず、歩行量を増やすことを概ね支持する結果としています。

だから、

「膝が悪い人は歩くな」

というのも極端です。

大切なのは、

歩くか、歩かないかではなく、「今の身体にどのくらいの負荷が適しているか」。

です。

 


 

「正しい歩き方」も一つではない

もう一つ、僕があまり好きではないのが、

「正しい歩き方はこれです」

と全員に同じフォームを当てはめることです。

胸を張る。

踵から着く。

大股で歩く。

腕を大きく振る。

もちろん、その人に合えば有効なこともあります。

でも、

身長も違う。

骨格も違う。

関節の動きも違う。

怪我の履歴も違う。

筋力も違います。

ならば、全員が完全に同じ歩き方になる必要もないはずです。

見た目が教科書通りかではなく、その人の身体の中で無理なく力がつながっているか。

僕はそちらを大切にしています。

 


 

「じゃあ何歩歩けばいいの?」への僕の答え

これはよく聞かれると思います。

僕の答えは、

その人によります。

です。

逃げているわけではありません。

むしろ、

「あなたも7,000歩」

「あなたも1万歩」

と身体を見ずに決める方が雑だと思っています。

WHOも、身体活動が少ない人については、まず少量から始め、頻度・強度・時間を徐々に増やしていくことを勧めています。

僕なら、

今までの運動量。

歩いた後の身体。

翌日の疲労。

痛みや違和感。

日常生活が楽になっているか。

そういった反応を見ながら調整します。

歩数計だけではなく、身体そのものをモニターする。

それが大切です。

 


 

BodyAllが「1万歩歩きましょう」で終わらせない理由

BodyAllでは、

「運動不足ですね。歩いてください」

だけでは終わらせません。

本当に必要なのが歩くことなら、歩いてもらう。

筋力が不足しているなら、筋力をつける。

股関節や足首が使いにくいなら、そこを見る。

身体の使い方に問題があれば、運動を取り入れる。

必要に応じて4Dラクリス、スポーツ整体、ストレッチ、機能性ピラティス、パーソナルトレーニングなどを組み合わせます。

でも、どの方法を使うかが目的ではありません。

その人が自分の身体で、安全に長く動き続けられる状態を作ること。

そこが目的です。

なお、強い腫れや熱感、安静時・夜間にも強い痛みがある、体重をかけられない、膝が繰り返し抜ける・ロックするなど、状態によってはBodyAllより先に医療機関での評価が必要です。

 


 

1万歩という数字より、その1歩を見る

僕は子どもの頃から、数え切れないほど走ってきました。

運動によって身体が強くなった経験もあります。

一方で、やり過ぎて疲労骨折や関節の痛みを経験したこともあります。

プロ競輪選手になってからは、高い負荷をかけるトレーニングだけでなく、ゆっくり歩きながらその日の身体を確認することもありました。

だから僕は、

「運動は多ければ多いほど良い」

とは考えていません。

健康になるために歩いているのか。

1万歩という数字を達成するために歩いているのか。

ここが逆転してはいけない。

1万歩という数字より、その1歩を今の身体がどう受け止めているか。

BodyAllが見たいのは、そこです。

 


 

この記事の要点

「1日1万歩」は健康の絶対的な最低基準ではなく、1万歩未満でも大きな健康メリットとの関連が報告されています。

また、ウォーキングそのものが膝に悪いわけではなく、軽度〜中等度の変形性膝関節症がある人でも、適切なウォーキングを支持する研究があります。

重要なのは、同じ歩数でも、その人の体力・運動歴・筋力・関節機能・疲労状態などによって身体への負荷は異なるということ。

だからBodyAllでは、「何歩歩いたか」だけではなく、その人が一歩を身体全体でどう作っているかまで考えます。

 


 

平岡浩司・BodyAll池袋について

平岡浩司は、小中高時代に野球・サッカー・陸上競技など複数のスポーツを経験し、その後約20年間プロ競輪選手として活動。

現在は東京都豊島区池袋のBodyAll池袋代表、身体再構築アーキテクトとして、一般の方からアスリートまで身体づくりをサポートしています。

BodyAllでは、痛みが出ている場所だけではなく、筋肉、関節、神経、姿勢、重心、バランス、身体の使い方、これまでの怪我や運動歴などを含め、身体全体から考えます。

 

 

主な参考資料

Ding D, et al. Daily steps and health outcomes in adults: a systematic review and dose-response meta-analysis. The Lancet Public Health. 2025;10:e668-e681. DOI: 10.1016/S2468-2667(25)00164-1. 

Budarick AR, et al. The effect of walking interventions on biomechanical knee osteoarthritis outcomes: A systematic review and meta-analysis. Seminars in Arthritis and Rheumatism. 2025;73:152755. DOI: 10.1016/j.semarthrit.2025.152755. 

Soligard T, et al. How much is too much? (Part 1) International Olympic Committee consensus statement on load in sport and risk of injury. British Journal of Sports Medicine. 2016;50(17):1030-1041. DOI: 10.1136/bjsports-2016-096581. 

World Health Organization. WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour. 2020.

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