変形性膝関節症とは?症状・治療と、その後の身体の使い方
2026/11/05
こんにちは!元プロ競輪選手、身体再構築トレーナーの平岡です。BodyAll池袋を一人で運営しています。
立ち上がる時や、歩き始めに膝が痛む。階段の昇り降りがつらい。
「年齢のせいかな」と思っている方もいるかもしれません。ただ、膝の痛みは、年齢のせいとも、変形性膝関節症とも限りません。
この記事では、変形性膝関節症がどういう病気か、似た症状との違い、一般的な検査・治療・運動療法の考え方を整理します。そのうえで、医療機関で状態を確認したあと、スポーツトレーナーとして身体の使い方をどう見るかまで、順番にお話しします。
1.変形性膝関節症とは
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨だけでなく、半月板や靱帯、滑膜など、膝関節をつくっているさまざまな組織に変化が起こる病気です。
「軟骨がすり減る病気」とだけ考えず、関節全体の変化として理解することが大切です。
多くは加齢によるもので、軟骨が弾力性を失い、使い過ぎによってすり減ることが関係しているとされています。肥満や遺伝的な素因も関わるといわれています。
一方で、骨折や、靱帯・半月板の損傷、感染症などの後遺症として起こることもあります。「これが原因」と一つに決めつけられる病気ではありません。
2.どんな症状があるか
日本整形外科学会によると、変形性膝関節症は女性に多くみられます。主な症状は、膝の痛みと、膝に水がたまること(関節水腫)です。
症状の出方は、進み具合によって変わっていきます。
・初期:立ち上がる時や歩き始めなど、動き始めだけ痛む。休めば痛みが引くことが多い
・中期:正座や、階段の昇り降りが難しくなることがある
・進んだ場合:安静にしていても痛みが取れない、膝がまっすぐ伸びない、変形が目立つ、歩くのが難しくなる
ただし、必ずこの順番で進むとは限らず、進み方には個人差があります。
3.膝の痛み=変形性膝関節症とは限らない
膝が痛いからといって、すべてが変形性膝関節症というわけではありません。
たとえば、次のような場合です。
・転倒やひねり、スポーツ中の接触など、きっかけがはっきりした外傷のあとに、急に膝が痛くなった
・急に膝が痛み、引っかかる感じとともに動かしにくくなった
こうした場合には、半月板損傷や関節内遊離体など、別の病態が関係していたり、変形性膝関節症に併存していたりすることもあります。
「膝が痛い=年齢のせい=変形性膝関節症」と自己判断せず、医療機関で確認することが大切です。
4.医療機関で確認した方がいいケース
次のような場合は、整体やセルフケアより先に、早めに医療機関を受診してください。
・転倒、ひねり、衝突などの外傷のあとに膝が痛い
・急に強い痛みが出た
・急に膝が動かなくなった、引っかかるようになった
・膝が大きく腫れている
また、体重をかけて歩くのが難しい場合や、痛みや歩きにくさが続いている場合も、医療機関への相談をおすすめします。
こうした症状は、変形性膝関節症とは限りません。半月板損傷や靱帯損傷など、対応が違う病気の可能性もあります。自己判断せず、医療機関で確認してください。
5.画像と症状の関係
変形性膝関節症の診断では、X線(レントゲン)検査が重要な役割を果たします。関節のすき間の幅や骨の変化、脚の骨の並び方(アライメント)などを評価できます。
一方で、変形性膝関節症診療ガイドライン2023では、X線で関節の変化が軽い、または見られない場合でも、MRIなどで調べると、膝関節をつくる組織の損傷が実際には進んでいる例がしばしばみられるとされています。
そのため、X線の所見と実際の症状にずれ(乖離)がある場合は、MRIや超音波検査を合わせて行うことが有用とされています。
つまり、「レントゲンで変化が軽いから、痛みも軽いはず」とも、「画像は症状と関係ない」とも言えません。画像検査・症状・診察などを合わせて、医療機関が判断します。
BodyAllでは、画像を医学的に読影・診断することはありません。
6.医療機関ではどう診断するか
医療機関では、問診のほか、押した時の痛み(圧痛)、膝が動く範囲、腫れ、O脚などの変形、歩き方などを確認します。
そのうえで、X線検査を行い、必要に応じてMRI検査などが追加されます。
7.一般的な治療・リハビリ
日本整形外科学会によると、症状が軽い場合には、痛み止めの飲み薬や塗り薬・貼り薬が使われます。膝関節の中にヒアルロン酸を注射することもあります。
リハビリとしては、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)を強くする訓練や、関節の動く範囲を広げる訓練などの、運動器リハビリテーションが行われます。膝を温める物理療法や、足底板・膝装具が使われることもあります。
こうした保存的な治療で十分な改善が得られない場合には、手術が検討されます。関節鏡(内視鏡)手術、骨を切って変形を矯正する高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術などです。
症状の強さや進み具合、生活の中で困っていることによって、治療の進み方は一人ひとり違います。「全員が同じ順番で進む」わけではありません。
8.運動療法について
変形性膝関節症診療ガイドライン2023では、運動療法について、「鎮痛、身体機能改善効果、日常生活機能改善効果を認め有用である」とされています。
推奨の強さは「推奨度1(強い推奨)」です。ただし、根拠(エビデンス)の強さは「C」で、効果の推定値に対する確信は限定的とされています。
この推奨では、筋力増強トレーニング、エアロビックエクササイズ、陸上運動、水中運動、太極拳など、運動の種類を区別せず、運動療法全体として有用かどうかが検討されています。
ここで、大切なことがあります。
ここでいう運動療法の根拠は、変形性膝関節症の方を対象に研究された、さまざまな運動についての評価です。研究ごとに、対象・方法・頻度・行われた条件は違います。そのため、この結果を、BodyAllのパーソナルトレーニングやピラティス、エクササイズの効果の根拠として、そのまま当てはめることはできません。
「運動療法が推奨されている。だから、BodyAllの運動が変形性膝関節症に効く」とは考えていません。
9.整体・運動を考える時
まずは、医療機関で状態と治療方針を確認してください。医師から運動・荷重・施術などについて制限や指示がある場合は、その内容を最優先してください。
治療中だからといって、BodyAllを利用できないと決まっているわけではありません。ただ、「どこまで体重をかけていいか」「どこまで膝を曲げていいか」「運動していいか」が分からない時は、担当の医師に確認してください。
なお、「整体」という名称自体には、国が定めた資格制度がありません。いわゆる整体として受ける施術は、健康保険の対象外です。
10.スポーツトレーナーとして平岡浩司はこう見ています
ここからは、スポーツトレーナーとして、僕が身体を見る時の考え方です。
僕自身、野球やサッカー、陸上、スキーなど、それぞれの競技で膝を痛めたことがあります。競輪選手時代は、鍛えた太ももの力でペダルを踏み込む中で、膝への負担を強く感じていました。
こうした経験が、膝だけを見るのではなく、身体全体の使い方から見るという考え方につながっています。
スポーツでは、膝だけで走ったり、止まったり、方向を変えたりしているわけではありません。生活の中でも、立つ、歩く、階段を上るといった動作は、股関節や足首、体幹を含めた、身体全体の動きで成り立っています。
これは、アスリートの方にも、そうでない方にも、僕が共通して使っている、基本の見方です。
変形性膝関節症の原因そのものを、僕が推測することはありません。医療機関で状態を確認した方について、BodyAllで実際に見るのは、今その人の膝に、動作の中でどう体重がかかっているかです。
立ってもらう。座った姿勢から立ち上がってもらう。歩いてもらう。片脚に体重をかけてもらう。
その時、膝そのものの動きだけでなく、股関節、足首、体幹、左右の体重のかけ方、歩幅、立ち上がり方まで、必要に応じて確認します。
11.BodyAllではどうするか
BodyAllでは、医療機関で状態を確認し、運動やボディケアに制限がない範囲で、スポーツトレーナーとして身体の動きを確認します。そのうえで、整体・ストレッチ・運動などを、必要に応じて組み合わせます。
【BodyAllで確認すること】
・立ち方
・座った姿勢からの立ち上がり方
・歩き方
・左右の体重のかけ方
・膝の曲げ伸ばし
・股関節、足首、体幹などの動き
【必要に応じて行うこと】
・整体、スポーツ整体などのボディケア
・ストレッチ
・運動、エクササイズ、パーソナルトレーニング、ピラティス
BodyAllで行う内容として、整体より運動を中心にする場合もあります。一方で、医療上の状態や、運動・荷重の制限が分からない場合には、先に医療機関での確認をお願いすることもあります。
最初から「膝が痛い=整体」と決めるわけではありません。
これらは、「変形性膝関節症そのものを治療するメニュー」ではありません。医療上の制限の範囲内で、その人が今どう身体を使っているかを見たうえで、必要な内容を組み合わせます。
12.医療とBodyAllの役割
変形性膝関節症かどうか。半月板損傷など、別の病態が関係・併存していないか。画像上どういう状態か。そして、どの治療が必要か。これを診断・判断するのは、医療機関の役割です。BodyAllが、この役割を代わりに担うことはありません。
BodyAllが見るのは、医療的な状態を前提にしたうえで、今その人が、立つ・歩く・立ち上がる・体重をかけるといった動作の中で、身体全体をどう使っているかです。
たとえば、同じ「歩く」「立ち上がる」を見る場合でも、目的が違います。医療機関が確認するのは、病状や重症度、治療方針を判断するためです。BodyAllが確認するのは、今その人がどう身体を使っているかを見るためです。
医療機関で治療中の方でも、医師から運動・活動・施術などについて制限や指示がある場合は、その内容を最優先します。運動や施術をしていいか、どこまでならいいかが分からない時は、担当の医師への確認をお願いしています。BodyAllの側で、医学的な判断を上書きすることはありません。
13.まとめ
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨だけでなく、半月板・靱帯・滑膜など、関節全体に変化が起こる病気です。立ち上がりや歩き始めの痛みから始まり、進むと正座や階段の昇り降りが難しくなったり、さらに安静時の痛みや歩きにくさが出たりすることもあります。
ただし、外傷のあとの急な痛みや、引っかかって動かしにくくなる症状は、半月板損傷や関節内遊離体など、別の病態が関係していたり、変形性膝関節症に併存していたりすることもあります。自己判断せず、医療機関で確認することが大切です。
転倒・ひねり・衝突などの外傷のあとに膝が痛い場合、急に強い痛みが出た場合、急に膝が動かなくなった・引っかかるようになった場合、膝が大きく腫れている場合は、早めに医療機関を受診してください。体重をかけて歩くのが難しい場合や、痛みや歩きにくさが続いている場合も、医療機関への相談をおすすめします。
そのうえで、医療機関で状態を確認した方について、スポーツトレーナーとして身体の使い方や動作を見ることは、BodyAllの役割になり得ます。
BodyAll池袋のご案内
BodyAll池袋は、元プロ競輪選手・身体再構築トレーナーの平岡浩司が一人で運営する、完全貸切制のボディケアサロンです。
・医療機関とは役割を分けています:診断・治療は医療機関の役割です。医療上の状態や制限が分からない場合は、医療機関での確認を優先してください
・完全予約制:一組ずつ、時間を区切って対応しています
・スポーツトレーナーの視点:膝だけでなく、立つ・歩く・立ち上がるといった動作の中で、身体の使い方まで確認します
・メニューを決めていなくても大丈夫:状態を確認したうえで、整体・ストレッチ・運動など、必要な内容を一緒に考えます
・アクセス:池袋駅 西武南口から徒歩2分、東口から徒歩5分
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※この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の症状の診断に代わるものではありません。
※BodyAllは医療機関ではなく、診断・治療などの医療行為は行っていません。健康保険は使えません。転倒・ひねり・衝突などの外傷のあとに膝が痛い場合、急に強い痛みが出た場合、急に膝が動かなくなった・引っかかるようになった場合、膝が大きく腫れている場合は、早めに医療機関を受診してください。体重をかけて歩くのが難しい場合や、痛みや歩きにくさが続いている場合も、医療機関への相談をおすすめします。
