整体で身体の左右差を整えては”いけない”理由|BodyAll/平岡浩司
人間の身体は左右対称ではない
身体再構築アーキテクトが考える「左重心」と本質的なバランス
身体のバランス。
この言葉を聞くと、多くの人は「左右均等」「真っすぐ」「歪みがない状態」をイメージすると思います。
姿勢が左右対称であること。
肩の高さがそろっていること。
骨盤の位置がそろっていること。
体重が左右均等に乗っていること。
もちろん、そうした見方も一つの判断材料にはなります。
しかし、BodyAll池袋では、身体のバランスをそれほど単純には見ていません。
なぜなら、人間の身体は、そもそも完全な左右対称ではないからです。
見た目では左右に腕があり、脚があり、目があり、耳があり、何となく左右対称に見えるかもしれません。
しかし、身体の中を見れば、まったく左右対称ではありません。
心臓は左寄りにあります。
肝臓は右側にあります。
胃も斜めに位置しています。
内臓の配置は、左右均等ではありません。
特に肝臓は、身体の中でも重い臓器です。
その肝臓が右側にあるということは、身体の内側の重量バランスとしては、右側に重さが出やすいという見方もできます。
ここに、身体を見る上で非常に面白い視点があります。
人間は、見た目の左右バランスだけで成り立っているわけではありません。
体内の重さ。
内臓の配置。
筋肉の使い方。
神経の働き。
姿勢のクセ。
動作のパターン。
過去の怪我。
競技歴。
生活習慣。
それらが複雑に絡み合って、その人の「本当のバランス」を作っています。
「左右均等」が本当に正しいのか
一般的には、左右差が少ないことが良いとされます。
姿勢解析やAI姿勢診断でも、左右の肩の高さ、骨盤の傾き、頭の位置、重心の偏りなどを見て、「歪み」や「左右差」を評価することがあります。
もちろん、そうした測定にも意味はあります。
自分の身体を客観的に見るきっかけにはなります。
しかし、私はそれだけで身体の本質的なバランスを判断するのは危険だと考えています。
なぜなら、そうした測定の多くは、外から見た形を基準にしているからです。
見た目として真っすぐか。
左右の高さがそろっているか。
平均値と比べてどうか。
写真上、線がどこを通っているか。
こうした見方は、あくまで「外見上のバランス」です。
しかし、身体にはもう一つのバランスがあります。
それが、身体内部の重さや機能を含めた本質的なバランスです。
見た目には真っすぐでも、身体の中では無理をしているかもしれません。
左右均等に立っているように見えても、実際には片側の筋肉が過剰に頑張っているかもしれません。
AIや姿勢解析で「左右差が少ない」と出ても、その人にとって動きやすい身体とは限りません。
逆に、見た目には少し左右差があっても、その人にとっては機能的に安定している場合もあります。
だから私は、身体を見る時に、単純な左右対称を目指すのではなく、その人にとっての最適なバランスを探すことを大切にしています。
左重心理論という考え方
私の中で競輪選手時代に興味を持った、バランスを考える上で重要な左重心理論があります。
これは簡単に言うと、人間の身体は内臓の配置などによって右側に重さが出やすく、その右側の重さに対して、無意識に左側へ重心を置くことでバランスを取っているのではないか、という考え方です。
肝臓は右側にあります。
そのため、身体の内部重量としては右側に重さが出やすい。
そう考えると、人間は生まれた時から、右側に重さを持った状態で身体を動かしているとも言えます。
赤ちゃんは、その身体で寝返りをし、ハイハイをし、つかまり立ちをし、よちよち歩きを始めます。
その過程で、無意識に身体のバランスを取りながら成長していきます。
右側に重さがあるなら、そのバランスを取るために左側へ重心を使う。
そう考えると、人間にとって左重心というのは、不自然なクセではなく、身体が本来持っているバランス調整の一つなのではないか。
これが、左重心理論の大きな考え方です。
もちろん、これはすべての人に同じように当てはまる絶対法則ではありません。
人によって身体は違います。
スポーツ歴も違います。
怪我の履歴も違います。
筋力も違います。
生活習慣も違います。
右利き、左利き、競技特性、仕事姿勢、過去の手術や怪我によっても身体の使い方は変わります。
だから、私は「全員が左重心にすれば良い」とは考えていません。
ただし、身体を見る上で、左重心という視点を持っているかどうかは非常に大きいと考えています。
バランスには種類がある
バランスと一言で言っても、実はさまざまな種類があります。
両足を地面につけて、じっと立っている時のバランス。
歩行のように、左右の動きを繰り返しながら保つバランス。
片足立ちのように、支持面が少ない状態でのバランス。
スポーツのように、瞬間的に方向転換する時のバランス。
水中のように、地面を強く踏ん張れない状態でのバランス。
空中動作のように、踏ん張る場所がない中で身体をコントロールするバランス。
自転車や競輪のように、スピード、重心移動、遠心力、接触、恐怖、判断が絡むバランス。
同じ「バランス」という言葉でも、状況によってまったく意味が違います。
さらに言えば、バランスには、
先天的なバランス。
後天的なバランス。
肉体的なバランス。
機能的なバランス。
静止した時のバランス。
動いている時のバランス。
踏ん張れる状態でのバランス。
踏ん張れない不安定な状態でのバランス。
見た目のバランス。
身体内部の重量バランス。
このように、いくつもの層があります。
単純に「右に傾いています」「左に傾いています」「骨盤が歪んでいます」というだけでは、本当の意味で身体を見ているとは言えません。
大切なのは、その人がどの状況で、どのようにバランスを取り、どこに負担をかけ、どこで力を逃がしているのかを見極めることです。
左重心とスポーツパフォーマンス
左重心の考え方は、日常生活だけでなく、スポーツパフォーマンスにも関係します。
たとえば野球。
左ピッチャーの場合、左足が軸足になります。
左重心の観点から見ると、軸足である左足に力を残した方が、身体を安定させやすく、力を伝えやすい場合があります。
一方で、右ピッチャーの場合、踏み出す足が左足になります。
この場合、踏み込んだ左足に体重を乗せることで、力を発揮しやすくなる場合があります。
サッカーでも同じような見方ができます。
右足でボールを蹴る場合、左足が軸足になります。
この時、左の軸足にしっかり重心を残すことで、蹴り足が使いやすくなる場合があります。
逆に左足で蹴る場合は、蹴り足である左側に重心を乗せる感覚の方が力を発揮しやすい場合もあります。
もちろん、これも絶対ではありません。
競技特性、フォーム、筋力、柔軟性、過去の怪我、本人の感覚によって変わります。
大切なのは、「全員こうすべき」と決めつけることではありません。
左重心という視点を持った上で、その人の身体にとってどのバランスが力を出しやすいのかを検証することです。
競輪選手として実践してきた左重心
私は、元プロ競輪選手として約20年間、プロの世界で身体を使い続けてきました。
競輪は、非常に特殊な競技です。
時速60km以上のスピード。
密集した選手同士の接触。
一瞬の判断。
強烈な踏み込み。
コーナーでの遠心力。
恐怖心。
駆け引き。
極限の出力。
その中で、重心の位置は非常に重要です。
ほんのわずかな重心のズレが、踏み込みの力、安定感、加速、コーナーでの感覚、落車リスクに関係します。
私は現役時代、左重心理論についてもかなり調べ、学び、自分の身体でも実践してきました。
仲間内でも試し合い、さまざまな変化や結果を見てきました。
競輪選手の中には、左重心を意識してから非常に良くなった選手もいました。
一方で、あまり変わらなかった選手もいました。
私自身も、正直に言えば、競輪のパフォーマンスにおいて左重心を大きく活かしきれたわけではありません。
私は、左重心を万能理論として語るつもりはありません。
自分にとっても、競輪という競技の中では、うまくハマらなかった部分があります。
しかし、トレーニングや日常生活、身体の使い方の中で、左重心を意識することで身体が楽になったり、動きがスムーズになったりする場面はありました。
つまり、左重心は絶対ではありません。
しかし、身体を見る上で考慮する価値のある重要な選択肢です。
ここが、私の現場での実感です。
専門家でも左重心理論を知らない人は多い
左重心は、私だけの独自理論ではありません。
過去にもスポーツ理論として書籍化され、アスリートの身体操作の一つとして語られてきました。
ただし、私はそれをそのまま鵜呑みにしているわけではありません。
競輪選手として自分の身体で試し、仲間内でも検証し、その上で“使える人もいるし、合わない人もいる”という現場感覚を持っています。
だからBodyAllでは、左重心を絶対視せず、身体を見る上での一つの評価軸として扱っています。
しかし私がこれまで多くのトレーナー、整体師、治療家、医療関係者と話してきた中で感じるのは、左重心理論を知らない人が非常に多いということです。
もちろん、すべての専門家が知らないという話ではありません。
中には、本で読んだことがある人もいます。
理論として知っている人もいます。
ただし、実際に自分の身体で試し、競技やトレーニング、施術の現場で検証している人はかなり少ないと感じます。
「肝臓が右にあるから、物理的には右側に重さがあるというのはわかる」
「でも、それが左重心やパフォーマンスに関係するという発想はなかった」
そう言われることもあります。
また、医師であっても、内臓の位置や重さは当然理解していても、それを重心やスポーツパフォーマンス、身体の使い方と結びつけて考える人は多くありません。
これは、医師が悪いという話ではありません。
医師には医師の役割があります。
画像診断、病気の診断、手術、薬、救急医療、急性期対応など、医療の役割は非常に重要です。
しかし、日常動作やスポーツ動作、身体の使い方、重心の感覚、パフォーマンスの微妙な差は、必ずしも医療の中心テーマではありません。
だからこそ、私のように自分の身体で競技をし、怪我をし、戻し、試し、現場で人の身体を見てきた立場だからこそ見えるものがあります。
AI姿勢診断だけではわからない身体の本質
最近は、姿勢解析やAI診断のようなものも増えています。
写真を撮るだけで、姿勢の歪みや重心のズレを分析できるものもあります。
もちろん、こうした技術を否定するつもりはありません。
自分の姿勢を客観的に知るきっかけとしては便利です。
ただし、それだけで身体の本質がわかるとは思っていません。
AIが見ているのは、多くの場合、外から見た形です。
肩の高さ。
骨盤の傾き。
頭の位置。
背骨のライン。
左右差。
平均値との比較。
しかし、身体の中の重さ、神経の使い方、筋肉の連動、過去の怪我によるかばい動作、本人の感覚、競技特性、日常生活でのクセまでは、簡単には読み取れません。
見た目が整っているから良い身体とは限りません。
左右差があるから悪い身体とも限りません。
本当に大切なのは、その人にとって動きやすいのか。
力が出しやすいのか。
痛みや不調が出にくいのか。
呼吸しやすいのか。
日常生活が楽になるのか。
スポーツでパフォーマンスが上がるのか。
そこです。
BodyAllでは、AIや測定器の数値だけではなく、実際の身体の反応を見ます。
動き方を見ます。
触った時の反応を見ます。
力の入り方を見ます。
本人の感覚を聞きます。
そして、必要であれば左重心の視点も含めて、その人にとっての本当のバランスを探していきます。
その人にとっての「ベストなアンバランス」
私は、人間の身体に絶対的な左右均等のベストバランスがあるとは考えていません。
むしろ大切なのは、その人にとってのベストなアンバランスを探すことだと考えています。
これは少し変な言い方に聞こえるかもしれません。
しかし、現場で身体を見ていると、完全に左右均等な身体を目指すことが必ずしも正解ではないと感じます。
右利きの人。
左利きの人。
片側を多く使う仕事をしている人。
過去に片側の足を怪我した人。
野球をしていた人。
サッカーをしていた人。
自転車競技をしていた人。
楽器をしていた人。
子どもを片側で抱っこしてきた人。
デスクワークで同じ姿勢が続く人。
それぞれの身体には、それぞれの歴史があります。
その歴史によって、身体の使い方は変わります。
だから、全員を同じように左右均等へ近づければ良いわけではありません。
その人にとって、どのアンバランスは必要なのか。
どのアンバランスは不調の原因になっているのか。
どの左右差は許容できるのか。
どの左右差は整えた方が良いのか。
そこを見極めることが重要です。
左重心理論も、その見極めのための一つの視点です。
身体再構築アーキテクトとしてのバランスの見方
私は、整体師やパーソナルトレーナーとは別の視点を持った「身体再構築アーキテクト」として活動しています。
身体再構築アーキテクトとは、身体を部分的に見るのではなく、筋肉、神経、関節、姿勢、呼吸、動作、生活習慣、過去の怪我、競技歴、心理的なクセまで含めて、身体を再設計する存在です。
バランスを見る時も同じです。
見た目だけを見ません。
左右の高さだけでは見ません。
体重計の数字だけでは見ません。
姿勢解析の線だけでは判断しません。
その人がどう立っているのか。
どう歩いているのか。
どう踏ん張っているのか。
どう力を出しているのか。
どこで力が抜けないのか。
どこで身体が逃げているのか。
どこに過去の怪我の影響が残っているのか。
どの動きで楽になるのか。
どの動きで不調が出るのか。
そうしたものを総合的に見ていきます。
身体は、単なる部品の集合体ではありません。
筋肉だけでもありません。
骨格だけでもありません。
神経だけでもありません。
内臓、重心、姿勢、呼吸、感覚、動作、心理、生活まで含めて、一つの身体です。
だからこそ、身体を整えるには、表面的な左右対称だけではなく、本質的なバランスを見る必要があります。
左重心は万能ではない。しかし、知らないのはもったいない
左重心理論は、万能ではありません。
全員に当てはまる絶対法則でもありません。
左重心にすれば、すべての人の身体が良くなるわけでもありません。
競技によっても違います。
日常生活でも違います。
年齢、筋力、柔軟性、怪我の履歴、身体のクセによっても変わります。
しかし、それでも私は、左重心という視点は非常に重要だと考えています。
なぜなら、身体を左右対称に見すぎると、身体の本質を見落とすことがあるからです。
右側にある肝臓の重さ。
内臓配置の左右差。
その身体で生まれ、育ち、動いてきた歴史。
その中で自然に身につけたバランス。
これらを無視して、ただ「左右均等が良い」と考えるのは、少し単純すぎると思います。
左重心を絶対視する必要はありません。
しかし、身体を見る人間なら、知っておく価値はあります。
考慮する価値はあります。
実際に試してみる価値はあります。
そして、その人の身体に合うかどうかを見極める必要があります。
BodyAllで大切にしていること
BodyAll池袋では、肩こり、腰痛、姿勢の崩れ、巻き肩、ストレートネック、猫背、慢性疲労、スポーツパフォーマンスの低下などを、痛い場所だけで判断しません。
肩が痛いから肩だけを見る。
腰が痛いから腰だけを見る。
姿勢が悪いから背筋を伸ばす。
バランスが悪いから左右均等にする。
そういう単純な見方ではなく、身体全体を見ていきます。
筋肉。
神経。
関節。
姿勢。
呼吸。
重心。
内臓配置。
動作。
生活習慣。
過去の怪我。
スポーツ歴。
本人の感覚。
そうした要素を総合的に見ながら、その人にとって必要なケアを考えます。
左重心理論も、その中の一つの視点です。
「左重心が正解です」と押し付けるものではありません。
しかし、身体を本質的に見るための選択肢として、BodyAllでは大切にしています。
最後に
身体のバランスは、単純な左右対称ではありません。
見た目のバランスと、本質的なバランスは違います。
地面に対してのバランス。
体内の重量バランス。
静止している時のバランス。
動いている時のバランス。
踏ん張れる時のバランス。
踏ん張れない時のバランス。
先天的なバランス。
後天的に作られたバランス。
肉体的なバランス。
機能的なバランス。
これらを分けて考えなければ、本当の身体は見えてきません。
人間の身体は、そもそも左右対称ではありません。
だからこそ、ただ真っすぐにすること、左右をそろえることだけが正解ではありません。
大切なのは、その人にとって、どの状態が最も楽に動けるのか。
どの状態が不調を出しにくいのか。
どの状態が力を発揮しやすいのか。
どの状態が日常生活を楽にするのか。
そこを探すことです。
BodyAll池袋では、身体再構築アーキテクトとして、見た目だけではなく、身体の本質的なバランスを見ていきます。
左重心理論も、その一つの重要な視点です。
身体を左右対称に整えるのではなく、
その人にとって必要なバランスへ再構築する。
これが、BodyAllの考えるボディケアです。
身体は変わる。人生も変わる。
身体の本当のバランスを、一緒に見直してみませんか。
BodyAll池袋 平岡浩司
身体再構築アーキテクト
元プロ競輪選手
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マンション池袋803
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